↑チュウルイ川河口、下流から上流
↑上流側から見た河口、流れの向きを変えるために板が設置してある
↑河口付近打ちあがっていた大型マリモ
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0、チュウルイ川河口付近
地図の0番に当たります。チュウルイ川が阿寒湖に注ぐ部分です。河口付近にはマリモが打ちあがっているときもあります。この辺だと川幅は3〜4mほど。
河口から勢いよく水が流出しないように、ついたてを設置して流路の向きを変えています。これは、おそらくチュウルイ川の流れが直接マリ
モ群落に当たってマリモが岸に押し出されるのを防ぐという目的で設置されたのだと思います。このチュウルイ川河口はチュウルイ湾といわれマリモがたくさん
転がっていて面白いものもたくさんあるのですがそれは、チュウルイ湾を特集するコーナーで紹介したいと思います。
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1、前田一歩園と国有林の境付近
地図の一番付近、前田一歩園と国有林の境ですね。今回のチュウルイ川遡上紀行もここからスタートです。私がなぜこの人跡も稀なチュウルイ川を遡る
機会があったかというと、研究室の先輩が阿寒湖をフィールドにしており、その研究の一環でチュウルイ川本流、支流の位置を示した地図を作るための調査の手伝いに
行ってきたのです。こっちもマリモにのめり込んでおりますから、チュウルイ川を遡ると聞いたらこりゃ渡りに船とばかり手伝いに行きます。マリモ生息地は普段は立ち入り禁止とはいえ、阿寒町が行っている祭や行事に参加するといったような、機会を探せば結構あるのですが、そこに注ぎ込む川の源流までとなるとなかなか行けますますまい。よって世の人は管理人がチュウル
イ川源流部について少し語るのに羨望の眼差しを向けてください。もっとも普通の人はそんなとこに行きたがらないと思いますが。
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↑自然のままに倒木も放置されている
↑チュウルイ川の中流部にあたります
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↑小支流最上部から見えた雄阿寒岳
残念ながら少し雲がかかっていた
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2、小支流の癖に急登する支流
今回の調査では10m以上の流れを支流としてカウントし、支流本流すべての載った地図を作るためのデータを作ります。と言うのは簡単ですが、実際に
はなかなか大変なことで支流を見つければ、それぞれ最源流部まで行って位置を記録しなければいけません。1付近からチュウルイ川本流の地図の右上に乗って
いる水色の支流が合流するまでは大したことのない支流ばかりで30mとかそんな長さの支流ばかりなのですが、一本川筋に垂直の崖をどこまでもどこまでも
ちょろちょろ流れ落ちてくる切れの悪い小便みたいな支流がありました。ざっと150mくらい上まで続いていたのですがこれがかなりの急な登りで、調査開始
1時間くらいで汗ダルマになってしまいました。上に150mくらい大したことないと思うかもしれませんが足場の悪い小さな沢を登っていくのですからかなりの重
労働です。登った上から見ると阿寒湖こそ見えませんですが雄阿寒岳が見えました。
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3、至る所から湧き出す水
地図の右上側に行く支流も大きな支流なのでデータは取るのですがそっちはもう1チームが担当なのでこっちは本流を遡っていきます。川はだんだん細くなっ
ていきますがそれでも2mほどはまだあります。川の両側の崖も狭まってきます。
さて、ここまで書いていなかったのですが、チュウルイ川脇に広がる崖腹から
水が湧き出しています。この湧き水は至る所にあり、ずいぶんな数になります。ここまでの支流も川から20mくらい離れた崖の袂から湧き出るというケースが
多かったのですが、ここでどんな具合に湧いているか紹介しておきましょう。阿寒が火山性の土地で、そ
の特徴のごろごろした瓦礫の間から水が湧き出すという風情です。ここが遠慮がちに書いておいた納涼企画というタイトルの納涼シーンです。
さらに樹木がきれいに倒木更新しています。倒木更新というのは倒れた老木の上に樹の種が落ちて成長していくことです。老木が倒れればその上は覆いかぶさ
る草もなく光を存分に浴びて稚樹が育つことができるというわけです。老木の上を若木が一列に芽生えるのが特徴です。樹木を勉強してるとこの命のリレー方法は結構
出てくるのですが、一般には案外知られてないかなと思い紹介しておきます。
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↑マリモみたいな丸いのあるがこれは石にくっついたコケです。
写真の上は草のある崖。マリモみたいなコケのあるあたりから
ふつふつ水が湧き出ている
↑こいつが倒木更新、丸太の上に針葉樹の稚樹が並んで生える
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↑支流の源流部付近、川幅は広いが水深2cmほどしかなく
小石の上をさらさら流れていくイメージ
↑支流が涌き出ている所。コケのあるあたりから涌き出ていた
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4、チュウルイ川最上流部付近
この辺まで来ると谷はさらに狭まり川幅は1m未満になったりします。いよいよ最上流部な雰囲気なのですが、地図の4番付近を見ていただければわかるよう
にこの辺は本流、支流が鳥の足のようになっていて、大変です。本流支流と一応ありますがみんな似たような、大きさの流れです。それでも一本一本源流まで
行って位置を確認します。こんな森の中でどうやって位置を特定するのか不思議に思うかもしれませんが、GPSという機械で位置をコンピュータに記録させて
いくものです。このGPS、最近はGPS携帯なんてものがあるのでご存知かもしれませんが、簡単に言えばカーナビの親玉みたいなもので衛星の位置から自分
のいる位置を特定します。便利な世の中になったものです。
さて根気よく支流すべてを回って源流の位置を落としていきます。川ってやつは、源流部近くになると悪あがきするように細い流れとなって急に登っていくも
のなので、追いかけるこっちはへとへとになります。GPSを持っている隊長に大声で源流の位置を知らせたりすると、エゾシカの群れがこっちを見ていたりし
ます。「なんだあいつら?」っていう目でこっち見ているんですよ、エゾシカは。草食なので追いかけては来ないのですが体はでかいし、鋭い警戒音で
啼かれると良い気はしないです。
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5、源流部へ
支流どもを片付けていよいよチュウルイ川本流の源流に行きます。地図で言うと5番付近です。川幅は50cm未満。冒頭にも書きましたがこのチュウルイ川源流付近は国有林に区分されます。阿寒国立公園
の国有林をいうと皆さん立派な森林だと想像するかもしれませんが、実際には大したことありません。国立公園とはいえ、道路わきの人が見る所だけ立派な木を残し100m中に
入れば、伐採を行いほとんど木が生えてないようなところも多いです。人跡が稀とはいえ、ただ稀なだけであって過去に伐採の手は入っています。北海道に天然林はありますが原生林はほとん
どありません。つまり自然の林は多いですが、良い木は人間の手で切られているということです。原生林の看板は多いですけどね(笑。
このへんも写真を見ていただけれ
ばわかるとおり川の周囲の木はまばらです。川は草の中をちょろちょろ流れているイメージです。それでもほとんど姿を見かけないなかなか良いエゾマツの林
があったりして隊長と「あるとこにはあるもんだなぁ」と顔を見合わせます。
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↑源流部。樹は川の付近はまばら
↑川は草の間をちょろちょろ流れている。
ここまで来ると流れもずいぶん細い
↑なかなかレアなエゾマツの純林
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↑チュウルイ川源流。源流は木の根と岩の間から涌き出ていた。
↑源流アップ。木の根が覆いかぶさるように
なっていてその下から水が湧き出ている
↑湧き出た水は細い流れとなって倒木の間を流れ落ちていく
↑源流付近から下流を見た所。水深は2、3cmほど。
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6、最初の一筋
いよいよチュウルイ川の源流にたどり着きます。ここもやはり岩の間から水がしみ出るように湧き出していました。水が湧き出る際まで草に覆われていてなん
だか地味な源流でしたが湧き出る水はさすがに清澄です。源流部付近にはエゾシカの足跡がたくさんあり、エゾシカの水場として使われているようでした。この
水を飲みたい所ですが、北海道の川の水はエキノコックスという寄生虫に汚染されているかもしれないので泣く泣くあきらめます。この湧き出た水が周りの水を
集め川となり阿寒
湖に流れ込みマリモを育むと思うと感慨深いです。その水は阿寒湖から流れ阿寒川となって太平洋まで注ぎ込む、と考えたとき今度は阿寒湖から阿寒川、太平洋
まで行ってみたいと思いました。
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