| マリモの成長
阿寒湖の観光土産品に印刷されているマリモの解説などでは「マリモは30cmになるのに900年」とか「野球ボールくらいの大きさになるのに150年
〜200年くらいかかる」とか印刷されてきました。この「マリモはXcmになるのにY年かかる(ただしY≧100。)」という説のXとYはよくかわりま
す。簡単に言ってみれば適当に大きな数字が入れられています。 ところが1997年から2002年にかけて阿寒町教育委員会が主体となって阿寒湖のマリモの成長を継続して測定する調査が行われました。調査を行ったのは 大型マリモが生息する阿寒湖北側のチュウルイ湾。この湾の沖合い70〜100mほどの場所で水深1〜1.5m付近の場所に住むマリモを継続的に調査しまし た。冒頭に「湖に転がっている同一のマリモ球状集合体を測りつづけるのは難しい」と記しましたが、この調査地は湖底を囲む柵のように水草が生えており、他 からマリモの流入、そしてマリモの流出がないところです。その結果は次のとおりです。
1997年の調査では調査地周辺には10cmほどのマリモしかいなかったそうです。2年後の1999年には15cmほどに成長。さらに5年後の2002 年には25〜30cmほどにまで成長したとのことでした。この調査地は浅く光合成がたっぷりとできるので、阿寒湖の中でもマリモにとっての成長条件がかな り恵まれている場所です。ですから、阿寒湖のマリモが全部この速度で成長しているわけではないと思われますが、「30cmになるまで900年」説が間違っ ている事は明白でしょう。マリモはこれまで思われていたよりもかなり速い速度で成長することが実証されました。 調査をされた阿寒町教育委員会の若菜勇学芸員によると、1954年に作られた科学映画で「直径十数センチになるのに数百年かかる」と紹介されて以来、マ リモは大きくなるのに数百年かかる説が定着したそうです。確か30cmのマリモが数年でお手軽にできるといわれるよりも、数百年かかるといわれたほうが 「神秘の」マリモというイメージがして観光客受けしそうです。 現在でもおみやげ品の中にはマリモの説明として数百年説が印刷されているものがありますが、皆さんだまされないように(笑。
マリモの殖え方 普段私達がよく見る植物は一般に種子によって増えます。 サクラも、アサガオもヒマワリも種子(タネ)を作ります。 ところがマリモは植物でありながら種子を作りません。 それではどのように殖えているのでしょうか? マリモが属している藻類の仲間は花を咲かせません。種子は花が咲かなければできませんから、藻類は無性の胞子やあるいは雌・雄の配偶子を作って繁殖します。 従来はマリモは胞子は作らないとされていましたが、最近マリモも胞子を作るようだということがわかってきました。マリモは胞子を作って小石に付着し発芽して糸状体(球のマリモ集合体を構成しているマリモの個体)を作るらしいのです。 しかしマリモは一般には胞子を作らずに増えるようです。マリモの球体が割れいくつかの破片に割れます。その破片が再び生長して球体を作る…、そしてまた球体が崩壊し破片に分かれ生長していく。このサイクルをマリモは繰り返しマリモは殖えていくようです。このへんはマリモの球化のコーナーをご覧ください。マリモの生殖に関しては未だに未知な部分も多く現在でも研究、調査が続けられております。
2003年3月17日作成
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