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マリモの人工球化


人工球化実験

 マリモは人工的に球化されるのでしょうか?このことに関してとても面白い雑誌の記事を見つけました。それは科 学朝日1973年7月号に掲載されていた中沢信午さんが行った藻類の球化実験についての記事です。中沢さんはマリモを含む数種の藻を別々にガラス管に入れ ました。そしてその管を垂直方向に回転する装置に入れて管が上下逆になるように回転させました。わかりやすく言うと、壁にかける時計の針を藻類が入ってる 管に代え時計の針より速いスピードでぐるぐる回すということです。
 その結果マリモだけが球化したそうです。マリモは枝の多い藻類の糸状体でできています。ですから他の藻類より 絡まりやすく球になやすいようです。同様に実験した綿の繊維も球になりました。綿もとても絡まりやすいものですしね。この実験は中公新書で中沢さんが書か れた「マリモはなぜ丸い」にも触れられているのでぜひ読んでみてください。

回転装置で培養した緑藻の球化状況(中沢信午さん実験)
 
植物名 球化の結果
マリモ 球化した!!
カモジシオグサ 球化しない
クロシオグサ 球化しない
アオミドロ 球化しない
サヤミドロ 球化しない
フシナシミドロ 球化しない
綿の繊維 球化した!!



マリモの静地培養

 ではマリモは特殊な装置で回転しつづけなければ球化しないかというとそういうことでもないようです。
平成二年度に阿寒町のマリモ調査研究会にマリモの最適倍地を検証する実験を行いました。
この実験の最中、偶然にも面白いことが発見されました。 それはマリモはどうやら静地における培養でも丸くなる性質があるらしいということです。
 この実験は阿寒湖の天然マリモを用いて水温22℃、長日条件で行われたのですが、浮遊藻体は全方向にほぼ均等な放射状に 枝を出し自然に房状から球状になっていきました。一年培養ではきわめて緩やかな房状の集団でしたが 二年間培養でかなり密な房状の集団が生じました。しかもこれは静かな水で行われた実験です。
 さらにこの藻体を低温(10〜15℃)で培養すると、突出する枝が少なくなり均等な短い枝が発生し密度の高い球状体が発達します。
 この結果はミニシェーカーを使った振盪実験の結果と特に顕著な違いは見られなかったようです。 つまりマリモは静地培養でも十分に球になるとの結果が得られました。


お土産やさんのマリモの球化
 お土産やさんのマリモはどうやって丸くしているのでしょうか?
お土産やさんのマリモは材料のマリモを一回ばらばらに細分化し 一方向から人間の手を丸めるそうです。機械による大量生産ができないのでどうしてもコストが高くなってしまいます。 また手作業で生きている生物を丸め、出荷されるため商品の均質化がとても難しいです。 ですからお土産のマリモにはわずかですがあたりはずれがあるようです。 (古い資料の参考だから今はひょっとしたら機械化されてるかもしれません)
 
 

参考文献 科学朝日 1973年5月号
科学朝日 1973年7月号
平成二年度阿寒湖のマリモ調査事業報告書

 


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